投資の世界において、成功するためには市場の動向を的確に読み取ることが不可欠です。
この記事では、日本の株式市場における投資主体別売買動向を詳しく分析し、投資家が戦略的な決断をするのに役立つ情報を提供します。
さらに、海外投資家、個人投資家、法人投資家それぞれの特徴や影響力に焦点を当て、市場トレンドの理解において重要なポイントを探求します。
投資に不安を感じる方も、ぜひこの記事を読んで、自信を持って市場に参加しましょう。
投資主体別売買動向とは何か?作成の目的
投資主体別売買動向とは、日本取引所グループ(JPX)が公表する資料です。
「どんな投資家が、どれくらいの規模で、取引しているかを把握するため」
※二市場とは東京証券取引所と名古屋証券取引所を指します。
海外vs個人vs法人:主要な投資主体
日本株式への投資売買は主に3つのカテゴリーから成ります。
①海外
②個人
③法人
海外投資家
海外投資家は、日本市場においてトップシェアを誇り、その動向は市場全体に大きく影響を与えます。
また、「国際的なマーケットから日本市場への資本流入」という意味でも重要な存在です。
外国の機関投資家やファンドマネージャー、外国政府などで構成されています。
為替や金利、経済情勢、成長機会などが影響要因となります。
個人投資家
個人投資家は、一般の人々から富裕層までさまざまなプロフィールを持つ市場参加者です。
特に最近では、証券会社のオンライン取引の普及により、個人投資家の数が急増しています。
また、現物取引と信用取引に分けて公表されており、取引額は信用取引が圧倒的に多い傾向です。
法人投資家
法人投資家は、企業や機関によって構成され、資金力も大きく市場において重要な影響力を持つグループです。
また、日銀やGPIF(年金積立金の運用)の取引はこの「法人」に含まれます。
【法人内訳】
・投資信託
・事業法人
・その他法人
・金融機関
【金融機関内訳】
・生保、損保
・都銀、地銀
・信託銀行
・その他金融機関
(1)海外投資家
引用:JPX
外為法(「外国為替及び外国貿易法」)第6条第1項第6号に規定する「非居住者」。 なお、日本企業の在外支店及び現地法人については「非居住者」となるため、「海外投資家」に含まれるが、下記b.を除く外国企業の在日支店については「居住者」となるため、下記(5)「その他法人等」または(9)「その他金融機関」に含まれることとなる。 また同様に、外国企業の日本の現地法人についても「居住者」となるため、それぞれの属する投資部門に分類されることとなる。
東証非取引参加者である外国証券会社の在日支店。
(2)証券会社
(1)b.を除く同業他社からの委託注文。 なお、調査対象となっている総合取引参加者が行った自己取引は、「証券会社」ではなく「自己計」として集計されている。
(3)投資信託
投信法(「投資信託及び投資法人に関する法律」)に規定する投資信託委託会社及び資産運用会社。
(4)事業法人
(1)~(3)及び(6)~(9)以外の株式会社、有限会社、持分会社(合名・合資会社又は合同会社)。
なお、金融機関を傘下に保有するものも含め、持株会社は全て事業法人に該当することとなる。
(5)その他法人等
金融機関、投資信託、事業法人に該当しない(1)以外の法人等。 具体的には、政府・地方公共団体とその関係機関、財団法人、特殊法人、従業員持株会、親睦会、労働組合等の諸団体、金融機関以外の外国企業の在日支店等が該当する。
(6)生保・損保
保険業法に規定する生命保険会社及び損害保険会社。
(7)都銀・地銀等
銀行法により免許を受けた国内普通銀行。
(8)信託銀行
社団法人信託協会に加盟している信託銀行。
(9)その他金融機関
(6)~(8)以外の金融機関。
具体的には、信用金庫、信用組合、農林系金融機関、各種共済、政府系金融機関(整理回収機構含む)、外国銀行の在日支店等が該当する。
投資主体別売買動向の活用ポイント
東証において、最大シェアの海外投資家の影響力を理解して、その動向に注視しながらトレンドを読み、戦略的な取引が求められます。
東証の市場規模
【2022年4月4日〜12月30日(9ヶ月間)の東証プライム市場の売買代金】
取引の種類 | 金額 |
---|---|
自己取引 | 161兆円 |
委託取引 | 1038兆円 |
総計 | 1200兆円 |
【委託取引の内訳】
投資家の分類 | 金額 | 割合 |
---|---|---|
法人 | 78兆円 | 7.6% |
個人 | 220兆円 | 21.3% |
海外 | 733兆円 | 70.6% |
(委託取引に占める割合を表しています)
証券会社自身が取引する「自己取引」
証券会社を通じて取引される「委託取引」
海外、個人、法人の取引は「委託取引」に含まれます。
買い越しと売り越し
・買い越し(買い注文数が売り注文数を上回る状態)
・売り越し(売り注文数が買い注文数を上回る状態)
買い越しとは、市場参加者がその商品を購入しようとする意欲が高まり、需要が供給を上回っている状況です。
これにより、価格が上昇しやすくなります。
売り越しはその逆で、市場参加者がその商品を売却しようとする意欲が高まり、供給が需要を上回る状況です。
この場合、価格が下落しやすくなります。
買い越しと売り越しの理解は市場の動向を把握するために非常に重要です。なぜなら、市場参加者の意思決定は価格に影響を与え、これらのトレンドが市場の方向性を示す手がかりとなるからです。
トレンド
まず、注目するべきは、プライム市場売買高の約7割を占める「海外投資家」の動向です。日本の代表的なベンチマークである「日経平均株価」と相関関係のある動きをします。
次に、2割を占める個人投資家は日経平均を逆の値動きで、いわゆる「逆張り」思考であることがわかります。
以上を踏まえて、トレンドの予想をするならば、
①上昇トレンドの兆候
→海外投資家は買い越し
→個人投資家は売り越し
②下落トレンドの兆候
→海外投資家は売り越し
→個人投資家は買い越し
海外、個人、日経平均の相関性を理解して、「海外の順張り」「個人の逆張り」の傾向があることは覚えておきましょう。
【投資主体別売買動向のまとめ】
この記事では、日本の株式市場における投資主体別の売買動向を探りました。
海外投資家、個人投資家、法人投資家のそれぞれが市場に与える影響に焦点を当て、市場トレンドを読み解くポイントを明らかにしました。
海外投資家が市場において大きな影響力を持ち、個人投資家の増加によって市場が変化しています。
買い越しと売り越しの理解が市場参加者にとって重要であり、市場の方向性を予測する手がかりとなります。
今後の投資戦略において、これらの情報を活用し、市場での成功に向けて前進しましょう。